目次
はじめに
登山の服装おいて、レイヤリング（重ね着）が必要なことは下記リンク記事でも解説している通り、理解されている前提でこのページでは記述してゆきます。
※下記リンク記事をまだご覧になられてない方はどうぞ。
レイヤリングとそれぞれの基本的役割
レイヤリング（重ね着）は、それぞれ以下のような基本的役割があります。どれかが欠けていても効果的な登山レイヤリングとはいえません。
ベースレイヤー（肌着）
汗や蒸れで濡れてしまう為、速乾性（すぐに乾く効果）と夏は涼しく冬は温かくが必要。
ミドルレイヤー（中間着）
着ると保温性（体を温める効果）があり、蒸れや熱を外へ逃がしたり、外の空気を中に取り込んだりする、通気性も必要。体温調整をできることが重要。また防寒着としての役割も必要。
アウター（一番外側の服）
外部からの雨・雪・風から中を守る、防水性と防風性が必要。また体内から発する熱や蒸れを外に出す機能、透湿性も必要。
※ここまでの記事は以前に掲載した内容の復習になります。
ここからがこのページの本題！
ミドルレイヤー（中間着）の種類
保温性や通気性など体温調整を重視したミドルレイヤー（中間着）とは以下のような種類があります。
A. インシュレーションウェア
B. ダウンウェア
C. フリースウェア
D. ネルシャツ・山シャツ
※他にも中間着として使用するウェアもありますが、代表的なウェアのみを記述しています。
A. インシュレーションウェアの特徴
インシュレーションウェアは、防寒と保温性を主な目的とした化繊中綿ウェアです。元々は「insulate（遮断する）」という意味からインシュレーションまたはインサレーションと名付けられています。この「遮断する」がこのウェアの主な役割で、体内の温かい温度と冷たい外気温をインシュレーションウェアで遮断する役割がある訳です。登山業界では、各ブランドによるインシュレーションウェアの登場により、昨今では、秋冬中間着の主役になりつつあります。
メリット
1. 保温性がフリースより高い
2. 嵩（かさ）張らないので意外にコンパクト
3. ある程度の防水撥水性があるインシュレーションならアウターとしても使用可能
4. 行動中に着ることにも向いている
5. 化繊中綿素材なので洗濯しやすい
デメリット
1. ダウンジャケットよりは保温性が低い
2. フリースより通気性が若干低い
3. 秋冬など使用期間が寒い季節のみ
おすすめミドルレイヤー 10選！［インシュレーションウェア編］
B. ダウンウェアの特徴
ダウンウェアは、圧倒的な保温性の高さとその重量の軽さが最大の特徴といえます。ダウンはご存知の通り羽毛を中に入れたウェアで、その温かさは他のウェアでは体感できないほどです。ダウンウェアはモコモコしてて嵩（かさ）張るイメージめあるでしょうが、昨今のダウンはコンパクトにもなり、ある程度撥水加工されたモノも各ブランドから開発されてきています。
メリット
1. 圧倒的な保温性の高さ
2. 重量が軽い
3. 登山用ダウンは意外にコンパクトになる
デメリット
1. 通気性が悪い
2. 水（濡れ）に弱い
3. 洗濯がしにくい
C. フリースウェアの特徴
昔から登山の中間着（ミドルレイヤー）のド定番として君臨するフリースウェアですが、なんといっても着心地が良いのと、わりと保温性があるところが◎です。（※一概にはいえませんが、保温性はインシュレーションウェアと同等とお考えください。）各ブランドからも様々なフリースウェアが販売され、価格もインシュレーションウェアやダウンウェアに比べるとリーズナブルといえます。もちろん、洗濯はバシャバシャと手軽ですし、衛生的といえるウェアの一つです。
メリット
1. 洗濯がしやすく衛生的
2. ストレッチ性があり動きやすい
3. 通気性に優れている
デメリット
1. 嵩（かさ）張る
2. 撥水性と速乾性がない
3. 雨の日などは使えない
D. ネルシャツ・山シャツの特徴
秋冬に重宝するインシュレーションウェアに対して、ネルシャツ・山シャツは春夏に重宝するミドルレイヤー（中間着）といえます。ベースレイヤー（アンダーウェア）の上に羽織るだけで少し肌寒い時などは非常に役立ちます。また、日差しが強い時などは紫外線予防にもなりますし、着ていて暑い時は前ボタンを開けると一気に通気性も良くなり、意外に使い勝手が良い薄手のミドルレイヤーといえます。
メリット
1. 薄手でコンパクトになり嵩（かさ）張らない
2. 暑い時期の紫外線予防となる
3. 通気性抜群
4. 乾きが早い（登山シャツは）
デメリット
1. フリース同様、水に弱い
2. 防寒着にはあまりならない
3. 乾きが悪い（ネルシャツは）
おすすめ登山ミドルレイヤー 12選！[ネルシャツ・山シャツ偏]
機能別に中間着を選ぶ
通気性
ネルシャツ＞フリース＞インシュレーション＞ダウン
透湿性
ネルシャツ＞フリース＞インシュレーション＞ダウン
伸縮性（ストレッチ）
フリース＞インシュレーション＞ダウン＞ネルシャツ
保温性
ダウン＞インシュレーション＞フリース＞ネルシャツ
軽量性
ダウン＞ネルシャツ＞インシュレーション＞フリース
耐久性
インシュレーション＞フリース＝ネルシャツ＞ダウン
撥水性
インシュレーション＞ダウン＞フリース＝ネルシャツ
速乾性
インシュレーション＞フリース＝ネルシャツ＞ダウン
洗濯しやすさ
インシュレーション＞フリース＝ネルシャツ＞ダウン
季節や天候で中間着を選ぶ
ミドルレイヤー（中間着）は、「季節」「天候」「山の種類」などによって使い分ける必要があります。一概には言えませんが以下を参考にしてみて下さい。
季節／春夏
天候／晴れ
山の種類／低山、高山
ネルシャツ、フリースがおすすめ
※雨の時は当然レインウェアが必要
季節／秋冬
天候／晴れもしくは曇り
山の種類／低山
インシュレーションウェアがおすすめ
※雨の時は当然レインウェアもしくはハードシェルが必要
ダウンウェアは通気性が悪く、濡れてしまうと最大の機能「温かさ」を発揮出来ないため、個人的には行動中に向いていないと考えています。休憩中や寝る時、御来光待ちなどの寒い気温で行動しない時には最高で最適なウェアとして活用することをおすすめします。
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おすすめ登山ミドルレイヤー 10選！[インシュレーションウェア偏]
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