目次
高野山町石道とは?
高野山町石道(読:こうやさんちょういしみち)とは、和歌山県伊都郡九度山町にある「慈尊院(読:じそんいん)」から和歌山県伊都郡高野町にある「高野山(高野山の壇上伽藍/根本大塔)」までの表参道であり、巡礼古道である。
全長約22kmにも渡る信仰の道と知られ、一町(約109m)ごとに町石と言われる高さ3mほどの石柱が180基建てられている。
ちなみに、慈尊院に180番の石柱があり、高野山上の壇上伽藍/根本大塔に1番の石柱がある。
全長のおよそ8割は山道で2割は舗装道を歩く道のり。高野山から慈尊院へは緩やかな下りとなり、逆に慈尊院から高野山へは緩やかな登りとなる。
高野山を開山した弘法大師が慈尊院にいる母親に会いに使った道として知られる。
高野山町石道 全行程の通過点
慈尊院(じそんいん)
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九度山展望台
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雨引山分岐
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六本杉峠
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古峠
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二ツ鳥居
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神田地蔵堂
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笠木峠
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矢立
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国道480号線横断
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高野山 大門
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高野山 壇上伽藍/根本大塔
登山・縦走の日程
この記事は2016年7月3日の記録です。
登山の種類
ロングハイキング・縦走
コース/ルート
高野山町石道
慈尊院→高野山壇上伽藍/根本大塔
※和歌山県伊都郡九度山町 側からスタート
総歩行距離
総歩行距離/22.5km
(スタート時の南海高野山:九度山駅〜慈尊院までの1.5km、終了時の高野山根本大塔〜金剛峯寺までの0.5kmを含む)
実質のコース距離/20.5km
総歩行時間
総行動時間/7時間30分(休憩込み)
(スタート時の南海高野山:九度山駅〜慈尊院までの25分、終了時の高野山根本大塔〜金剛峯寺までの15分を含む)
実質のコース時間/6時間10分(休憩込み)
登山・縦走の山行程
09:20 南海高野線:河内長野駅発
10:00 南海高野線:九度山駅着
10:15 九度山駅より慈尊院へ向け出発
10:55 慈尊院到着→町石道スタート
11:45 雨引山分岐
12:30 六本杉峠
12:50 古峠
13:00 二ツ鳥居→昼食休憩
14:00 笠木峠
15:00 矢立
16:55 高野山大門
17:15 高野山壇上伽藍/根本大塔到着
17:45 金剛峯寺よりバスで高野山駅へ
19:20 南海高野線:河内長野駅着
高野山町石道のマップ
高野山町石道の詳しい本は ↓ おすすめ!
登山道・縦走路について
高野山を開山した弘法大師が高野山壇上伽藍・根本大塔から、母親の玉依御前(たまよりごぜん)が住む慈尊院まで、月に9度も下山したとされ、その地を九度山と名付けたという伝説がある。
この高野山から九度山:慈尊院までの表参道を「高野山町石道」と呼び、全長20.5kmにもおよぶ。
このトレッキングコースは、スタート地点とゴール地点が異なる為、縦走時のように電車やバスを使ってスタート地点に向かうことがよいだろう。
まずはどちらをスタート地点にするかを選択する。以下の①②のどちらかを選択する必要がある。
①高野山壇上伽藍/根本大塔(町石柱1番)→九度山慈尊院(町石柱180番)への下山コースにするか?
②九度山慈尊院(町石柱180番)→高野山壇上伽藍/根本大塔(町石柱1番)への登山コースにするか?
ちなみに… 高野山町石道は途中でエスケープする道もあります。全コース踏破に自信がない方は、エスケープルートを使い、コースを短くする方法もあるのでマップを参考にしてプランを立てて下さい。参考エスケープルート ●古峠(町石柱124番)から南海高野線:上古沢駅へ抜けるルート ●矢立(町石柱60番)から南海高野線:紀伊細川駅へ抜けるルート
※エスケープルートの詳細はコチラが参考になります。
さて!話を戻すことにする。
このページでは上記②の「九度山慈尊院→高野山壇上伽藍/根本大塔」の高野山町石道を解説をすることにする。
まずは、高野山町石道の町石柱180番がある「慈尊院」へ向かう訳だが、慈尊院へは南海高野線:九度山駅から1.5km/25〜30分ほど一般道を歩くことになる。慈尊院への道のりは九度山駅でもマップがあったりするので詳しくは自身で調べてみてほしい。
九度山→慈尊院はコチラが参考になります
さてさて!
高野山町石道のスタート地点「慈尊院」に着いたらいよいよ長い道のりがはじまる。
慈尊院の中を抜け、丹生官省符神社(読:にうかんしょうぶじんじゃ)まで石階段を上がると
右側に町石柱180番が現れる。
この180番の町石から109mに一本の間隔で町石が立っており、距離や時間の目安にしながら高野山根本大塔(読:こうやさんこんぽんだいとう)まで歩いて行く訳だ。
最初のポイントは九度山の柿畑を抜け、166番町石付近の展望台だ。慈尊院から1.6km/約35分の展望台からは、九度山の街並みと高野の山々が望める。夏はこの最初の九度山歩きがかなり辛い。九度山の夏は暑いことでも知られているので要注意である。
次は1.3km/約25分で153番町石付近の雨引山分岐を目指す。途中から登山道のようになってゆくのでやがて影が多くなりだす。
雨引山分岐から1.8km/約35分で136番町石付近の六本杉分岐へ到達する。このあたりで全体の1/4程度だ。分岐なので大門方面への標識を見落とさないようにしよう。
歩を1.4km/約25分進めると、124番町石が古峠。ここから上古沢駅へエスケープもできる。
更に0.4km/7〜8分進むと、120番町石に到達し二ツ鳥居というポイントになる。ようやく全体の1/3ぐらいだ。
この手間には東屋があり休憩するには絶好のポイントがある。
二ツ鳥居から1.3km/25分程度で107番町石付近の神田地蔵堂に到達する。ここにはトイレがあるので用は済ませておこう。
ここから紀伊高原ゴルフ場の横を通り、100番の町石を通過し
徐々に緩やかな登りになり2.4km/40分程度歩くと、86番町石の笠木峠となる。
笠木峠から2.7km/約45分で久しぶりの車道(国道370号線)が下に見え、国道370号線に一旦出ると、ようやく矢立に到達する。この矢立は60番町石ポイントで矢立茶屋というお店が矢立交差点にある。矢立茶屋は名物やきもちが有名で休憩にちょうどいいかも知れない。ここにはトイレもあるし、自動販売機もある。
ここから大門までは登りになり、トイレもない山道だ。
残り1/3の行程、高野山大門まで5.8km/1時間50分〜2時間あるので、水分補給しておいた方がよいだろう。
矢立茶屋の手前から山の方に入って行き、ここから登りで登山道が続く。“袈裟掛石”や“押上石”という町石道の名物石を通過し、40番町石あたりで国道480号線を横断する。更に“四里石”や“鏡石”などを通過し、だんだんと町石道のカウントダウンがはじまる。
後半はなかなか辛い山道だが、町石のカウントダウンが励みになることだろう。
9番町石を過ぎて、最後の登りをクリアすると目の前に高野山大門がどデカく現れる。なんとも言いがたい喜びが溢れることだろう。
大門をくぐると紛れもなく高野山で、左側にトイレがあり、そのまま直進すると高野山らしい風景が広がる。車道の左側に町石も相変わらず110mおきに立っており、ようやく町石1番になると高野山壇上伽藍/根本大塔であり、巡礼古道の高野山町石道のゴールとなる。
折角、高野山まで来たのだから時間があれば高野山巡りもわるくない。
高野山巡りなどをしたあとは、
南海高野線:高野山駅まで南海りんかんバスを使うのが便利である。高野山内の至るところにバス停があるので都合に合わせてダイヤを調べておくことをおすすめする。
南海高野線:高野山駅からはケーブルカーで南海高野線:極楽橋駅まで下り、帰りの路につく訳だ。
高野山からのダイヤ情報
南海りんかんバス(高野山内路線)
南海高野線(高野山駅発・極楽橋駅発)
高野山町石道 トイレポイント
トイレポイントは以下のマップを参考にしてもらいたい。
●九度山駅→慈尊院まで
①九度山駅
②道の駅 柿の郷くどやま
③慈尊院
●慈尊院→高野山壇上伽藍/根本大塔まで
④勝利寺(178番町石付近)
⑤神田地蔵堂(107番町石付近)
⑥矢立茶屋手前(60番町石付近)
⑦高野山大門(9番町石付近)
⑧高野山壇上伽藍/根本大塔(1番町石付近)
高野山町石道 水分補給ポイント
高野山町石道は全長約20.5kmとロングトレッキングコースだが、水分補給ポイントはかなり少ない。夏場などは水分をある程度持って行動しないといけない。
特に以下の②〜③の区間、③〜④の区間は長いので注意が必要だ。
①九度山駅(自販機)
②九度山駅→慈尊院までの道中(自販機)
③矢立(自販機)
④高野山大門から先(コンビニ)
登山・縦走の感想
このページでのトレッキング解説は、2016年7月3日の「高野山町石道 九度山駅→高野山」の山行です。
1ヶ月後に南アルプスへ行く為、長い距離を歩いておこう〜!っと、あえて暑い時期を選び「高野山町石道」にチャレンジした訳だが、夏場の町石道はなかなかの地獄だった。
何故、地獄と思ったかと言うと!
●スタート地点からの九度山はかなり暑い
●高野山町石道は水分補給ポイントが少ない
が挙げられる。
暑さは覚悟していたのでできるだけ早朝からチャレンジしたかったのだが、相棒に予定があり
9:20。南海高野線:河内長野駅から出発。約30分ぐらい電車に揺られて和歌山県の九度山駅へ。
10:00。戦国武将真田幸村の地として知られる九度山駅に着くと、赤い六文銭の旗や看板があちらこちらにあり、まるで九度山駅ではなく真田幸村駅のようである。
10:15。トイレや水分補給を済ませ、ウォーミングアップがてら、高野山町石道の180番町石がある慈尊院へ向けトレッキングスタート。九度山の街並みを歩くとすぐにわかるが、これが朝にも関わらず暑い。事前に調べていたこともあり慈尊院へは道迷いもなく10:45頃に到着。
慈尊院内を色々と見渡しながら上がってゆくと180番町石を発見。
10:55。いよいよ高野山町石道のスタートだ。約20.5km/6時間を超えるトレッキングがはじまる。
まずは九度山独特の柿畑を縫うように登りが続くのだが、これがとにかく暑い。夏の九度山は暑すぎる。。昼前にして気温はすでに33℃に達していて、日差しは強く体感では40℃近く思えるぐらいジリジリした暑さだ。この日、自分のザックには水分2リットルを持ち備えていたが足りるのであろうか…?暑さと水分の量に不安を感じる。。
11:20。九度山展望台に到達するも、大勢の年配ハイカーがいたので展望台をスルーして次の目的地へ。しかし、暑い。。この時点で水分の量が残り1リットルになった。次の水分補給ができる矢立まではまだ10km以上はある。
11:45。途中からようやく山道になり木々のおかげで日陰が多くなり、やや登りが続くがかなり楽になる。ようやく雨引山分岐を通過。
12:30。更に登山道を進み、六本杉分岐を超え、
12:50。古峠へ到達。ここから上古沢駅までエスケープルートもあるが当然、高野山大門を目指す。
13:00。二ツ鳥居の手前に休憩ポイントの東屋があるので、簡単に昼食休憩を取ることにした。暑くなることが想定できていた仲間は冷麺を持参。極上の旨さである。
少し体力が戻ったのだが、残りの水は200mlを切っていた。次のポイントまでに100番町石を超え、半分の90番町石を超え、ゴルフ場横を通過した頃に水が尽きる。。
14:00。水無しで笠木峠を通過。更に歩を進めると64番町石ぐらいから国道370号線が下に見えてくる。
15:00。ようやく自販機がある矢立に到達。山道から一旦車道に出てすぐの左側にトイレがある。用を済ませ、矢立茶屋というお店があるが、まずは喉がカラカラなので自販機でコーラを2本買いして一気飲み!旨さが止まらない!(笑)
矢立茶屋の横でトレッキングシューズを脱いで15分休憩することに。
15:15。矢立にある矢立茶屋に向かって左側から山の方へ再び上がってゆく。ここから大門までは5.8km/およそ1時間50分はかかる道のり。リサーチ通りに袈裟掛石、押上石と通りすぎ、国道480号線を横断し、更に四里石、鏡石と町石道の名物石を通過してゆく。
町石柱が25番を越えたあたりから更に道は最後の登りで疲れを煽る。町石柱が15番を越えたあたりから頭の中ではいよいよカウントダウンがはじまっていた。
14…13…12…11…10…9…と。
16:55。9番町石を越えたあとに車道に出る坂道を登ると目の前に高野山大門が現れた!すごく大きく立派に見えた!
ようやく高野山の入口に辿り着いたのだ。大門をくぐり、左側のトイレを借り用を済ませ、高野山の街中を更に進む。町石柱は左側に相変わらず立っており、1番町石柱に辿りつく前に右手のコンビニで冷たいドリンクをゲット。
17:15。ようやく1番町石柱を越え高野山根本大塔に到着した。
高野山町石道、慈尊院180番町石から、実に6時間20分かかってゴールの高野山根本大塔1番町石に辿り着いたのだ。
せっかく、高野山に来たのだから!
…とはいえ、時刻は17:20。ほとんどの見物先はクローズしている。。残念だが、500mほど歩いて金剛峯寺だけ見て南海りんかんバスで高野山駅に移動。ケーブルで極楽橋駅まで下り、
19:20。河内長野駅に帰ってきた。
高野山町石道は流石に長い。弘法大師さんは月9度も九度山の慈尊院まで往復してたのだから、偉大と感じた山行になった。
夏の高野山町石道にチャレンジする人は、水分補給ポイントが少ない道のりなので、充分に計画性をもってチャレンジしてもらいたい。
九度山の夏はシビれるほど暑いので!留意すべきである。
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